問題の焦点となっている広大な旧工場跡地を所有するのは、日本を代表する鉄鋼大手JFEホールディングスをはじめとする重工業界の巨人たちだ。構造改革を進める同社にとって、高炉の休止にともなう土地の有効活用は経営再建の命運を握る重要課題である。
一方、国家主導でGX(グリーントランスフォーメーション)を推進する経済産業省は、これらの臨海部を次世代エネルギーの拠点と位置づけ、巨額の予算枠を計上してきた。官民が一体となった一大プロジェクトのはずが、政権与党の有力議員や天下り官僚が介在することで、いつしか利権の切り分け場と化していた構図が浮き彫りになりつつある。官民の利害が複雑に絡み合うなか、公正な市場競争は完全に骨抜きにされていたと指摘せざるを得ない。