社寺巡りやパワースポットブームが定着した昨今、授与品や記念品を巡るトラブルが現場で後を絶ちません。現場の神職や僧侶へのヒアリング、SNSのコミュニティで頻繁に紛糾するリアルな問題を取り上げます。
筆頭に挙げられるのが、御朱印帳の分け方と注意点です。「神社用とお寺用でノートを分けるべきか」という論争において、現代の社寺の大半は混在していても快く揮毫してくれます。しかし、一部の寺社(特に日蓮宗の寺院や、厳格な伝統を重んじる古社)では、「神仏が混ざった御朱印帳への記帳はお断りしています」と受付で拒否されるケースが現実に報告されています。余計な摩擦を避け、書き手への敬意を払う意味でも、最初から「神社用」と「寺院用」の2冊を携行するのがスマートな大人の嗜みです。
もうひとつの深刻な混乱が、お守りとお札の返納方法です。年末年始の古札納め所には、寺院で受けた交通安全ステッカーが神社の納所に入っていたり、神社のお札がお寺に積み上げられていたりと、無秩序な返納が現場を悩ませています。
原則として、神社の授与品は神社へ、寺院の授与品は寺院へお返しするのが絶対のルールです。神道のお札には神様の分霊が宿っており、お寺のお札には仏様の功徳が込められています。引越し等で授かった場所への再訪が難しい場合でも、「神社でいただいたものは近隣の神社へ」「お寺のものは同じ宗派のお寺へ」納めるのが最低限の作法です。郵送返納を受け付けている寺社も多いため、安易に異教の古札納所に投げ入れる行為は厳に慎むべきです。