人気芸人が集結する週末寄席や単独ライブの一般発売において、販売開始から数十秒でアクセスが集中し、エラー表示のまま完売に至る現象は日常茶飯事となっています。この「異常なチケットの取りにくさ」の背景には、興行システムそのものの構造変化が存在します。
吉本興業の公式プレイガイドであるFANYチケット予約では、無料の一般会員に先駆けて、有料会員組織(FANYプレミアムメンバーなど)に向けた先行抽選が幾重にも設定されています。劇場関係者の証言や座席配分データによると、テレビで冠番組を持つトップクラスの漫才師や賞レース王者が出演する本公演では、総座席数のうち約60〜70%がファンクラブ先行枠および会館提携枠へ優先的に割り振られています。つまり、一般発売のタイミングで一般ユーザーが奪い合っているのは、残されたごく僅かな座席に過ぎないのが冷厳な現実です。
さらに、各劇場が公式サイトで公開しているよしもとお笑いライブ座席表を精査すると、前方の良席(いわゆる「かぶりつき席」)はプレミアム会員の第1次抽選でほぼ押さえられる設計となっています。良席を自力で引き当てるためには、一般先着に賭けるのではなく、先行抽選の段階から希望日程を平日夜公演や追加公演へ分散させる「確率論的なエントリー戦略」が不可欠です。