うさぎに恐怖を与えず、かつ暴れさせないためには、力でねじ伏せるのではなく「身体が安定している」と錯覚させることが肝心です。専門クリニックで実践されている獣医師推奨の抱っこテクニックの根幹は、足元を完全にロックするお尻を支える安定した持ち方に集約されます。
具体的な手順は以下の通りです。まず飼い主は床の上に正座、あるいはあぐらをかいて座り、物理的な高低差をなくします。うさぎの背後または斜め後方から静かに手を伸ばし、片手を行き先を遮るように前胸部の下に滑り込ませます。この際、喉を圧迫しないよう指の腹で胸骨付近を優しくホールドするのがコツです。
次の瞬間、もう一方の利き手でうさぎの腰から臀部(お尻)を深く包み込むようにすくい上げます。ここで躊躇して中途半端に浮かせると激しく暴れるため、滑らかな一連の動作で飼い主の胸元へと密着させます。これが正しい保定の方法の基本形です。うさぎの顔を飼い主の脇や肘の内側に軽く隠してあげる(視界を適度に遮る)と、暗がりを好む習性から驚くほど急速に落ち着きを取り戻します。