ネット上のSNSや動画投稿サイトでは「ダイソンをオキシ漬けしてみた」「丸ごと水洗いしてピカピカ」といった投稿が散見されますが、家電修理エンジニアやダイソン公式の技術見解は真っ向から対立しています。サイクロン部分の水洗いは絶対にNGです。良かれと思って行った水洗いが、掃除機としての息の根を止めてしまう決定的な理由が2点存在します。
第一の理由は、サイクロン内部に残存する超微細ゴミの「泥化・ヘドロ化」です。ダイソン独自のラジアルルートサイクロンは、遠心力によって目に見えない花粉や微細なハウスダストを分離します。その構造上、外からは見えない極小の流路やメッシュ奥に微粉末が堆積しています。ここに水分が侵入すると、微細なチリが水分を吸って粘土質のヘドロへと変貌し、乾燥過程でセメントのように強固に固着します。その結果、気流が完全に遮断され、洗浄前よりも吸引力が著しく低下する本末転倒の事態に陥るのです。
第二の理由は、内部配線および金属パーツの腐食とショートです。一見プラスチックの塊に見えるサイクロンユニット周辺には、トリガー連動スイッチやモーター部へと電力を送る微小な電気接点、固定用のスチール製ビスが存在します。水没や流水洗浄を行うと、毛細管現象で侵入した水分が長期間滞留し、内部の端子を瞬く間に酸化・錆び付かせます。生乾きのまま通電した瞬間に電子基板がショートし、高額なアッセンブリー交換を余儀なくされるケースが後を絶ちません。