クリスマスまでまだ1か月以上ある11月上旬の段階で、主要ショップの店頭からカレンダーが消え去る光景は、もはや毎年の恒例行事となっています。この過熱ぶりを引き起こしている最大の要因は、メーカーや輸入代理店が抱える「追加増産が物理的に不可能な生産・流通サイクル」にあります。
アドベントカレンダーは12月1日から24日までという極めて限定された期間にしか消費価値を持ちません。25日を過ぎれば一気に商品価値を失うため、小売各社は在庫リスクを極度に警戒します。特に海外から輸入されるチョコレートや焼き菓子は、原材料の調達からパッケージング、船便での輸送に至るまで半年前(春先)の段階で発注数量が確定しています。国内メーカーであっても専用の複雑な仕切り箱を採用しているケースが多く、追加プレスのラインを急遽確保することは困難です。
さらに見逃せないのが、購買行動における「エモ消費」の定着です。SNS上では「12月1日の朝に開封するワクワク感」を投稿する文化が一般化しました。その体験を確実に手に入れるため、消費者の予約・購入行動が年々前倒しになっています。需要のピークが11月前半へとシフトした結果、供給数の上限に一瞬で到達し、毎年激しい売り切れ劇が発生しているのが実態です。