自動車エンスージアストの間では古くから「マフラーから水が出るのはエンジン絶好調の証」と語り継がれてきました。前述の通り燃焼工学的には正しい事実ですが、排気系システム全体の耐久性という観点に立つと、この言葉を鵜呑みにするのは極めて危険な盲点となります。
水分は鉄にとって最大の天敵です。完全燃焼によって生成された水分には、わずかながら燃料中の微量硫黄分や窒素酸化物が溶け込んでおり、弱酸性を示すことがあります。この酸性の水分がサイレンサー内部に長期間溜まったままになると、金属を内側から猛烈なスピードで腐食させていきます。これこそが、多くの車を襲うマフラー 錆 腐食 穴あき 対策の根本的な課題です。
特に危険なのが、近所のスーパーへの買い出しや子どもの送り迎えなど、片道5〜10分程度しか走らない「チョイ乗り」中心の使われ方です。走行時間が短いと、排気系全体が水分の沸点(100℃以上)まで温まりきる前にエンジンが止められてしまいます。結果として、発生した水分が蒸発することなく毎日のように内部へ蓄積され、外側からは見えないサイレンサーの底面からサビが進行し、最終的には指が入るほどの穴が開いてしまいます。
マフラーに穴が開いて排気漏れを起こすと、爆音を響かせるだけでなく、車検 マフラー 水 排気漏れの項目で一発不適合となり公道を走れなくなります。純正マフラーのアッセンブリー交換費用は、軽自動車でも4万〜7万円、大排気量セダンやミニバンでは10万〜15万円以上の高額出費を強いられるケースも珍しくありません。「水が出るから愛車は絶好調だ」と悦に入り、排気管を錆び腐らせてしまっては本末転倒と言わざるを得ません。