彼が生み出してきた代表的な発明品の全貌を振り返ると、私たちの身近な生活用品から高度な産業技術まで、その幅広さに圧倒される。多くの日本人が幼少期から一度は使ったことがあるであろう「醤油チュチュ」は、まさにその原点だ。
寒さに凍えながら手動で醤油をビンから移し替える母親の姿。これを見たドクター・中松が、学生時代に考案したのがサイフォン式ポンプだった。これが後に改良され、全国の家庭へ普及した灯油ポンプの原型となった。日々の小さな困りごとを技術で解決する。この基本姿勢は、その後も一貫している。
さらに、彼が世に送り出した発明品は多岐にわたる。水上で歩行を可能にする靴、姿勢を正して脳の働きを活性化させる特殊な椅子、集中力を高めるサプリメント食品、さらには夜間に文字が浮き出る時計まで。単なるアイデア倒れではない。実用性とユーモアを絶妙なバランスで融合させたプロダクトがずらりと並ぶ。