音名の表記には、主にイタリア語、英語、ドイツ語、日本語の4系統が存在します。それぞれの言語が異なる音楽分野やシーンで標準的に使われています。
日本で最も広く浸透している「ドレミファソラシ」はイタリア語です。親しみやすい反面、音名と階名の両方で使われるため、専門的な音楽現場では混乱を避けるために英語やドイツ語が多用されます。
バンド演奏やDTM、ジャズなどのポピュラー音楽では英語音名(C, D, E...)が世界の共通言語です。コード進行の表記もすべて英語音名を基盤に組み立てられています。
オーケストラや吹奏楽、クラシック音楽の指導現場ではドイツ語音名(ツェー、デー、エー...)が標準です。特に注意すべき点として、ドイツ語では「シのナチュラル」を「H(ハー)」と呼び、「B(ベー)」は「シのフラット」を意味します。ここを取り違えると演奏現場で致命的なズレを生むため、確実な暗記が求められます。
日本音名(ハニホヘトイロハ)は、「ハ長調」「ト短調」といった調(キー)の名称を定義する際に用いられます。日本音名の並びが「イ(ラ)」から始まるのは、音楽の基準周波数である440Hz(ラ=Aの音)を基準とした歴史的背景に基づいています。