定価の高騰と市場の枯渇に呼応するように、クロムハーツの「スーパーコピー(高精度な偽物)」は年々進化を遂げています。以前のような「刻印が粗い」「軽すぎる」といった低品質な模造品だけでなく、シルバー925素材を使い、重量やサイズ感を本物と寸分違わず再現した悪質な個体がフリマアプリや無店舗型ネット通販に氾濫しています。
プロの鑑定士が真贋判定を下す際、注目している現場のチェックポイントは以下の3点に集約されます。
第1に、オールドイングリッシュ文字の刻印の「エッジ」と「深さ」です。本物のクロムハーツは職人の手打ち刻印や高精度な金型によって、刻印の底面が均一で文字の角が極めてシャープに立ち上がっています。対して偽物は、レーザー彫刻特有のぼやけた縁取りになっていたり、文字の彫りが浅く燻し加工の塗料が安っぽく剥がれ落ちていたりします。
第2に、「クロスボール」や「ダガー」のディテールと溶接跡です。リングの側面やチャームの接合部、ブレスレットのコマの繋ぎ目において、本物は手作業で丹念にロウ付け・研磨されており、滑らかな一体感があります。偽物はキャスト成型(型流し込み)を一発で行うため、接合部に不自然なバリや気泡(ス)の痕跡が残ります。
第3に、レザー製品の縫製ピッチとスクロールラベルの質感です。財布やウェアの革質は、触れた瞬間に吸い付くような重厚感を持つ純正ヘビーレザーに対し、偽物は芯のない硬い革や合皮特有の薬品臭が漂います。また、縫い目のステッチ幅が不揃いであったり、内装のダガー引手がペラペラとした薄い金属板であったりする点も見極めの決定打となります。