iPhoneの画面に「データを転送中」と表示されたまま進捗バーが停止してしまうトラブルには、明確な構造的原因が存在します。通信キャリアのサポートデスクや店頭修理カウンターへの取材によると、クイックスタートで立ち往生する利用者の約7割が特定の条件下に陥っています。
第1の要因は、新旧端末における最新iOSバージョンへのアップデートの不一致です。新しいiPhoneを開封した直後、工場出荷時のOSバージョンが旧端末より古い場合、移行プロセスの裏側で強制的にOSアップデートのダウンロードと適用が挟み込まれます。このとき、画面表示は「データを転送中」のまま変化しない仕様となっており、ユーザー視点では完全にフリーズしたように見えてしまうのです。
第2の要因は、近接通信(Wi-Fi DirectおよびBluetooth)の干渉と接続遮断です。クイックスタートは、新旧端末同士が独自のWi-Fi電波を直接送受信してピアツーピア(P2P)通信を行いますが、自宅のWi-Fiルーター(特に2.4GHz帯の混雑)や電子レンジ、Bluetooth機器との干渉を受けるとパケットの再送が頻発します。一定回数以上の通信エラーが蓄積すると、OS内部の転送プロセスが応答なし状態に陥り、データ移行が終わらない原因と理由の典型例となります。
第3に、旧端末内のストレージ容量と新端末の受け入れ可能容量の計算ミスが挙げられます。写真アプリの「マイフォトストリーム」や一時的なシステムキャッシュが移行時に実体化され、想定以上の容量を消費して新端末のストレージ残量を圧迫し、書き込み限界でプロセスが停止するケースが実機検証でも確認されています。