多くの読者が息を呑んだ最終回および単行本第14巻の結末は、主人公アーク(アルク・アルフレッド)が掲げた「世界を覆す覇道」の集大成として描かれました。少年期に理不尽な身分制度と権力闘争によって全てを奪われたアークは、ダークエルフのロティと交わした契約を起点に、禁忌の力を操りながら貴族社会の階段を血塗られた足取りで駆け上がっていきました。
物語のクライマックスでは、帝国を揺るがす黒幕との熾烈な知略戦と武力衝突が勃発。アークは自らの血脈と宿命に立ち向かい、圧倒的な魔力と冷徹な軍略をもって敵対勢力を打破します。最終話においてアークは、単なる復讐者にとどまらず、乱世を統治する覇王としての地位を確立。幼馴染であり想い人でもあった公爵令嬢アウレリアとの関係性にも決定的な清算が下され、忠誠を誓い続けたヒロインたちを従えて新時代を切り開く姿が提示されました。
一方で、読者の間で賛否を呼んだのが「終盤のテンポ感」です。帝国全土に散りばめられていた国家間の陰謀や、魔物・眷属にまつわる壮大な伝承、隣国の動向といったスケールの大きい複線群が、最終盤数話の中で極めてスピーディーに回収・整理されました。各ヒロインとの個別エピソードや情緒的な対話がダイジェスト気味に処理された箇所も散見され、物語自体は完結のゴールテープを切っているものの、「もっとじっくり読み込みたかった」という読者の飢餓感が「結末への驚きや戸惑い」へと直結した形です。