「飛行機雲を見ると天気が崩れる」という説の真偽を検証すると、飛行機雲と天気の関係には極めて明確な因果関係が存在します。飛行機雲の持続時間を決定づける最大の要素は、飛行高度における大気の「相対湿度」と「気圧配置」です。
日本列島を含む中緯度域では、天気は基本的に西から東へと周期的に変化します。低気圧や温暖前線が西から接近してくると、まず高度1万メートル前後の上層大気から湿った空気が流れ込み始めます。地表付近ではまだ青空が広がっていても、上空ではすでに湿度が70%〜80%以上に達しているケースが少なくありません。
上空が湿潤な環境下では、エンジンから放出された氷晶が昇華(蒸発)することなく空間に留まり続け、周囲の水分を取り込んでさらに成長します。これが飛行機雲が消えない理由であり、飛行機雲と低気圧の接近が密接に結びついている証拠です。気象庁の観測データおよび大気物理モデルに照らし合わせても、飛行機雲が1時間以上消えずに帯状に広がる現象は、半日から約24時間後に雨が降る前兆として極めて信頼性の高い指標となります。
反対に、日本付近が高気圧に覆われている状況下では、上空の大気は乾燥しており下降気流が卓越しています。乾燥した大気中に放出された氷晶は、発生直後から急速に昇華して水蒸気へと戻るため、飛行機雲すぐ消える晴れのサインとなります。