2001年の深夜枠スタートから着実に支持を集め、2005年10月に水曜夜8時のゴールデン帯へ昇格した『はねるのトびら』は、2008年に番組最高視聴率24.1%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を叩き出しました。名実ともにフジテレビの看板番組となった一方、制作現場は現代のテレビ業界では考えられないほどの極限状態にありました。
当時の演出陣が求めたのは、一切の妥協を許さない純度100%のお笑いでした。毎週行われるネタ見せ会議では、少しでも甘さがあれば容赦なくボツが言い渡され、オンエア尺の奪い合いによるメンバー間のライバル関係は常に張り詰めていました。秋山竜次自身も後年のインタビューや回顧録において、「当時はスタジオに行くのが本当に怖かった」「毎週、胃を痛めながら新しいキャラクターの皮膚感や声のトーンを探っていた」と当時の異常な緊張感を赤裸々に語っています。
この「逃げ場のないプレッシャー」と「徹底的なリアリズムの追求」こそが、秋山の持つ即興力と憑依力を限界まで引き上げるブートキャンプの役割を果たしたといえます。