筋肉に狙い通りの過負荷を与え、確実に筋肥大を引き出すための「EZバー重量計算の基本」は至ってシンプルである。
【計算式】:総重量(kg) = EZバー本体の重量 + (左右プレート重量 × 2) + クリップ・カラー重量
ジムで行う際の計算実例を見てみよう。IVANKO製オリンピックEZバー(10kg)を使用し、左右に5kgプレートを1枚ずつセットした場合、「10kg + 10kg = 20kg」となる。「プレートの10kg分しか挙げていない」と錯覚していると、負荷を過小評価してしまう。
アームカール適正重量の目安(10〜12回×3セットが可能な重量)
上腕二頭筋をターゲットとしたEZバーアームカールにおける、一般的な適正重量の目安は以下の通りである。反動(チーティング)を使わず、肘の位置を固定した状態でコントロールできる重量を選定することが前提となる。
- 初心者(男性):総重量 15kg〜20kg(バー10kg + 左右2.5kg〜5kg)
- 中級者(男性):総重量 25kg〜35kg(バー10kg + 左右7.5kg〜12.5kg)
- 上級者(男性):総重量 40kg以上(バー10kg + 左右15kg以上)
- 女性(全般):総重量 10kg〜15kg(バー単体〜左右2.5kg追加)
腕の筋肉は、大腿四頭筋や大胸筋と比較して筋体積が非常に小さい。そのため、重量を2.5kg増やすだけでも負荷のジャンプアップが激しい。プレートを追加する際は、0.5kg〜1.25kgのマイクロプレートを活用し、漸進的に負荷を高めていくことが関節保護と筋肥大の両立における鉄則である。
【プロの結論】EZバーを導入すべき人とストレートバーを優先すべき人の明確な判断基準
バイオメカニクスおよび運動生理学の視点から、EZバーが適しているトレーニーと、あえてストレートバーを選ぶべきトレーニーの境界線を提示する。
【EZバーを最優先で選ぶべき人】
- アームカール時に手首や前腕の外側、肘の内側に痛み・違和感を覚える人
- 前腕のキャリングアングル(腕を自然に伸ばしたときの肘の外開き角度)が大きい人
- 上腕の「厚み」を出すために上腕筋(ブラキアリス)や腕橈骨筋を重点的に肥大させたい人
- ライイング・トライセプス・エクステンションで肘の腱へのストレスを軽減したい人
【ストレートバーを継続して使うべき人】
- 上腕二頭筋の「短頭(内側の盛り上がり)」を狙い、完全回外によるピーク収縮を追い込みたい上級者
- 手首の可動域が十分に広く、ストレートバーでも関節の違和感が一切ない人
- パワーリフティング等、ストレートバーの挙上軌道に身体を最適化させる必要がある競技者