ヨーロッパの主要言語を俯瞰すると、文法上の性別がどのように運用されているかには明確なグラデーションがあります。ラテン語を直系の祖先とするロマンス諸語(フランス語、スペイン語、イタリア語など)では中性名詞が消滅して「男性・女性」の2性体制に統合された一方、ゲルマン系のドイツ語やスラブ諸語では「男性・女性・中性」の3性体制が色濃く残っています。
各言語における性の数、冠詞の変化、および規則性の度合いを一覧比較した客観データが以下の通りです。
このデータ比較から明らかなように、「名詞の性」の難易度は言語ごとに大きく異なります。スペイン語のように語末の母音を見れば小学生でも判別できる言語もあれば、ドイツ語のように定冠詞が「der・des・dem・den」と格変化(主格・属格・与格・対格)を伴って複雑に連動する言語もあります。挑戦する言語の構造的難所をあらかじめ把握しておくことが、無駄な挫折を回避する第一歩です。