スメハラとは?無自覚な加害を防ぐ判定基準と職場の角を立てない伝え方

スメハラとは?無自覚な加害を防ぐ判定基準と職場の角を立てない伝え方

スメハラとは?無自覚な加害を防ぐ判定基準と職場の角を立てない伝え方とはどのようなものなのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

スメハラ(スメルハラスメント)とは、におい(Smell)と嫌がらせ(Harassment)を組み合わせた和製英語であり、「特定のニオイによって周囲の人に不快感を与えたり、作業能率を低下させたり、健康被害を引き起こす行為」を指します。セクシャルハラスメントやパワーハラスメントと決定的に異なるのは、「行為者に悪意や嫌がらせの意図が一切存在しない場合でも成立してしまう」という残酷な構造にあります。

人間には「嗅覚疲労(嗅覚順応)」と呼ばれる生理現象が存在し、自分自身の体臭や日常的に愛用している香料のニオイには、曝露から数分で鼻が慣れて感じにくくなります。日本労働組合総連合会(連合)や民間リサーチ機関が実施したハラスメント実態調査によれば、「他人のニオイで不快感を覚えた経験がある」と答えたビジネスパーソンは全体の約65%にのぼる一方、「自分自身がニオイで周囲を不快にさせているかもしれないと自覚したことがある」と回答した人はわずか18%にとどまりました。この圧倒的な認知のギャップこそが、無自覚な加害者を生み出す元凶です。

さらに見過ごせないのが、清潔感を出そうとして過剰に使用された柔軟剤や消臭スプレーが引き起こす「柔軟剤香害トラブル」の急増です。後述するように、合成香料に含まれる化学物質によって頭痛、めまい、倦怠感などを発症する人が相次いでおり、個人の嗜好を超えた公衆衛生上の摩擦へと発展しています。

林 結菜
著者

林 結菜

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。