ミスターイトウのバタークッキーをめぐっては、原材料やブランドの歴史に関していくつかの大きな誤解が定着しています。事実関係を整理し、誤った認識を正しておきましょう。
最も多い誤解が、「ミスターイトウは海外からの輸入菓子ブランドである」という思い込みです。名前に「ミスター」と冠され、クラシカルな洋風パッケージを採用しているため、アメリカやヨーロッパのライセンス品と誤認されがちですが、紛れもなく東京都北区に本社を置く1952年創業の日本企業「イトウ製菓株式会社」のオリジナルブランドです。創業者の伊藤四朗氏らが「アメリカの本格的なクッキー文化を日本のお茶の間に届けたい」という情熱から名付けたという歴史的背景を持っています。
また、「バタークッキーなのにバターがほとんど入っていないのでは?」という疑念もネット掲示板などで散見されます。しかし、食品表示法上の公正競争規約では「バタークッキー」と表記する場合、クッキー生地におけるバターの配合割合が全体の5%以上であることが義務付けられています。イトウ製菓はこの基準を厳格にクリアしており、油脂をショートニングやマーガリンだけで誤魔化した製品とは一線を画しています。
さらに、以前のトレイに並べられた包装から「3枚×5パックの分包仕様」へと完全移行した際、「実質的な値上げ(ステルス値下げ)ではないか」と騒がれた時期がありました。しかし、実際には密閉パック化によって開封後の酸化と吸湿を防ぎ、最後の1枚まで工場出荷時のサクサク感を維持できるようになった品質向上の恩恵が極めて大きく、結果として単身世帯やシニア層の支持率を押し上げる結果となっています。