指出毬亜の真骨頂は、キャラクターの持つ純真さや包容力を、過剰な誇張なしに声へ昇華させる天性の表現力にあります。彼女がこれまで築き上げてきた華麗な出演歴を振り返る上で、絶対に外せない2つの金字塔が存在します。
第一の代表作は、国内外で絶大な支持を集めるメディアミックスプロジェクト『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のエマ・ヴェルデ役です。スイスからやってきた心優しい留学生というバックボーンを持つエマの魅力を、柔らかなイントネーションと温かみ溢れる響きで見事に体現しました。東京ガーデンシアターや西武ドームといった大会場のステージにおいて、エマのソロ曲『Evergreen』を安定感抜群の歌唱力で歌い上げ、何万人ものオーディエンスを包み込んだ光景は、声優アーティストとしての力量を業界内外に強烈に知らしめる契機となりました。
そしてもう一つの転換点となったのが、『私に天使が舞いおりた!』の白咲花役です。小学生らしい無邪気さと、スイーツに目がない現実的な一面を併せ持つ難役を、絶妙なコメディの間合いと可愛らしさで好演。メインキャストで結成されたユニット「わたてん☆5」の活動を通じても、音楽番組や単独ライブで卓越したパフォーマンスを披露し、声優界における確固たるポジションを確立しました。
さらに近年では『ウマ娘 プリティーダービー』のノースフライト役など、これまでの癒やし系ヒロインにとどまらないスマートかつ芯のあるキャラクターへと活動領域を拡大。役幅の広がりとともに、声優としての評価は年々揺るぎないものとなっています。