松井秀喜氏の妻を巡る言説のなかで、最も頻繁に浮上する固有名詞が「中山愛」です。しかし結論から言えば、松井氏自身や所属事務所、公式報道機関がこの実名を公表した事実は過去に一度もありません。それにもかかわらず、なぜこの名前がここまで強固に定着したのでしょうか。
発端は2008年3月の電撃的な結婚発表時に遡ります。国民的スターの伴侶が誰なのかに世間の関心が過熱するなか、一般人である妻の身元情報は一切明かされませんでした。これに対し、当時の巨大ネット掲示板「2ちゃんねる」や各種ブログにおいて、凄まじい特定作業が行われた経緯があります。
その過程で、「松井氏をサポートしていたスポーツ用品大手・ミズノの関係者」「イベントや取材現場に帯同していたスタッフ」など複数の候補が推測として書き込まれました。そのなかに偶発的に含まれていた「中山愛」という名前がまとめサイトへ転載され、検索エンジンの関連ワードに登録されたことで、あたかも確定情報であるかのように拡散していったというのが真相です。同姓同名のタレントやモデルとの混同も指摘されていますが、いずれも決定的な根拠を欠いた憶測に過ぎません。