なぜ中大脳動脈は含まれない?ウィリス動脈輪の盲点と脳動脈瘤の真相を解説

なぜ中大脳動脈は含まれない?ウィリス動脈輪の盲点と脳動脈瘤の真相を解説

なぜ中大脳動脈は含まれない?ウィリス動脈輪の盲点と脳動脈瘤の真相を解説の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

ウィリス動脈輪は側副血行路として脳虚血を防ぐ生命線である一方、血管分岐部が密集しているため、物理的な血流の衝突エネルギー(ずり応力)が集中しやすいという宿命を背負っています。これが、未破裂脳動脈瘤がこの部位に多発する力学的原因です。日本脳卒中学会のガイドラインや臨床統計に基づく好発部位とリスクの比較データは以下の通りです。

項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価前交通動脈瘤(Acom)全脳動脈瘤の約30%を占める最大好発部位年間破裂率:約0.5〜1.5%(サイズ依存)左右の内頸動脈血流が合流・衝突する部位のため強い血流負荷を受け、小型でも破裂リスクが高い傾向にあります。内頸動脈-後交通動脈分岐部(IC-Pcom)全脳動脈瘤の約25%。女性にやや多い傾向動眼神経麻痺(眼瞼下垂・瞳孔散大)を初発徴候としやすい動脈瘤の増大に伴い近傍を走る動眼神経が圧迫され、物が二重に見えるなどの前兆が出現するため早期発見が急務です。中大脳動脈分岐部(MCA)全脳動脈瘤の約20%。M1-M2分岐部に多発輪の外側の主幹動脈分岐部に発生ウィリス動脈輪「構成動脈外」の動脈瘤ですが、外科的クリッピング術の標準的適応となりやすい重要血管です。脳底動脈先端部(BA tip)後方循環系の約5〜10%に発生破裂時の重症度・死亡率が極めて高い深部かつ脳幹近傍に位置するため直達手術の難易度が高く、カテーテルによるコイル塞栓術が第一選択となるケースが増加しています。
橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。