ジェシカの離脱を巡り、ファンの間で長年議論の的となってきたのがリーダーのテヨンをはじめとするメンバーとの不仲説です。グループ内で圧倒的な歌唱力を誇る「メインボーカルの2大巨頭」としてファンから「テシカ(TaeSica)」の愛称で親しまれていた両者ですが、活動後期にはステージ上での動線やアイコンタクトの減少がネット上で過剰に取り沙汰される事態となっていました。
この憶測に拍車をかけたのが、ジェシカが2020年に発表した自伝的デビュー小説『Shine』、および2022年の続編『Bright』です。作品内では、大手事務所所属の9人組ガールズグループ「Girls Forever」の主人公レイチェルが、ファッションブランド設立をきっかけに他の8人のメンバーから排斥され、大規模コンサート直前に一方的にグループを追放される過程が生々しく描写されていました。
小説内に登場する「ライバル関係にあるメンバー」の描写や、解雇通告に至る会議の情景があまりに2014年の実際の脱退劇と酷似していたため、K-POP業界およびファンの間では「事実に基づく告発文学ではないか」と大きな物議を醸しました。しかし、関係者の証言や当時の状況を客観的に精査すると、そこにあったのは個人的な憎悪劇というよりも、「グループの存続と規律を最重要視するメンバー」と「個人の才能をファッションビジネスへと早期に拡張しようとしたジェシカ」との、プロフェッショナルとしての優先順位の乖離であったことが浮き彫りになります。