インターネット上の噂では「海外のマフィアによる猟奇殺人事件ではないか」「人体を煮込んだ狂気的な儀式ではないか」といった憶測が飛び交うこともありました。しかし、法医学データおよび海外の事故検証記録によると、スープおじさん 事件の真実は他殺ではなく、不慮の病死に伴う物理現象の結果であることが判明しています。
具体的には、独居高齢者の男性が入浴中に心筋梗塞や脳卒中、あるいはヒートショックによって意識を失い、そのまま浴槽内で水死(突然死)したことが発端です。問題はその後、給湯システムや追い焚き機能、または温水パイプの熱供給が停止せず、一定の高温が保たれたまま誰にも発見されず数週間から数カ月間にわたり放置された点にあります。
法医学において、高温多湿の環境下では細菌の爆発的な増殖と自己融解(酵素による細胞組織の自己消化)が急激に進むことが知られています。40度前後の温水に長期間浸かり続けた人体は、タンパク質が変性・軟化し、脂肪分が加水分解されて完全に液状化します。皮膚組織が剥離して筋組織が崩壊し、最終的には骨とドロドロに溶けた体組織だけが浴槽水と混ざり合って残るという、科学的・法医学的にも極めて凄惨な「融解遺体」が形成されたのです。