ネット上の掲示板やSNSでは、「壊れたドアノブをホームセンターに持っていけば安く修理してもらえる」という噂が散見されます。しかし、現場の金物売り場を取材すると、明確な事実の相違が浮かび上がります。
まず、ドアノブ修理をホームセンターに持ち込みしても、その場で分解・注油・部品再生を行ってくれるサービスはどのチェーンでも原則として実施していません。売り場スタッフの主な業務は商品の販売であり、精密な錠前機構の内部修理を行うリペア技術者ではないためです。
では、持ち込みに意味がないのかといえば、そうではありません。実物を外して持参する真の価値は、「完全適合する代替商品の特定」にあります。ドアノブ交換で最も発生しやすいトラブルは、わずか数ミリの寸法違いによる取り付け不可です。現物をサービスカウンターや金物コーナーで見せることで、担当スタッフがノギスで各部を計測し、店頭在庫やカタログから寸分違わぬ適合モデルを割り出してくれます。
また、「ホームセンターなら何でも格安」という思い込みにも落とし穴があります。一般的な建具であれば定額工賃で済みますが、古い公団住宅の特殊な錠前や、海外製ドア、錆び付いてネジ頭が潰れた状態の撤去作業などでは、追加作業工賃(3,300円〜8,800円程度)が発生したり、現地調査の結果として「施工不可」と断られたりする事例が実際に報告されています。