ファンがフィニックに惹かれるもう一つの大きな要因は、主人公ニック・ワイルドとの「相棒としての関係性」にあります。
二人の関係は、ディズニー作品によく見られる「無条件の友情」や「依存関係」とは一線を画しています。詐欺の仕事を終えれば、稼いだ現金をその場できっちり山分けし、互いのプライベートには一切干渉しないという、極めてドライでプロフェッショナルな距離感を保っています。
人間関係論や社会心理学の視点で見ると、これは健全な「心理的バウンダリー(境界線)」が確立された大人の関係性と言えます。馴れ合いや過度な期待を持たないからこそ、互いの役割を完璧に遂行できるビジネスパートナーとして成立しているのです。
しかし、物語中盤でジュディがニックの居場所を探してフィニックを訪ねた際、彼は最初こそ警戒しつつも、ニックが傷つき橋の下に隠れていることをそれとなく教えます。この「口は悪くビジネスライクだが、いざという時には相棒を見捨てない義理堅さ」こそが、フィニックというキャラクターの人間的(動物的)な厚みを生み出しています。