物語の改変に批判が集まる一方で、役者陣が画面に刻みつけたエネルギーに対しては、否定派のファンからも称賛が寄せられています。特に本作を牽引した竹内涼真と賀来賢人のコンビネーションは、従来の日本の実写化作品の水準を遥かに凌駕する熱量に満ちていました。
竹内涼真(桐生一馬役):かつて爽やかな青年役で人気を博した竹内は、本作のために徹底したフィジカルトレーニングを敢行。体重を大幅に増量し、極限まで体脂肪を絞り込んだ背筋の隆起は、背中の応龍の刺青に凄まじい説得力を与えました。地下格闘技場で見せた泥臭い殴り合いのアクションでは、CGやワイヤーに頼りすぎない生身の痛撃を表現し、アクション俳優としての新境地を完全に切り拓いています。
賀来賢人(錦山彰役):桐生と幼少期を共に過ごし、やがて対立の道を歩む錦山を演じた賀来の演技は、本作における最大の収穫と評されています。純粋さと野心が混ざり合った1995年の表情から、絶望に呑み込まれ冷徹なヤクザの頂点へと登りつめた2005年の怪異な眼光に至るまで、その表情の陰影は圧巻でした。取材現場でも「錦山の哀しみを表現するために精神を削った」と語るなど、魂を込めた演技が物語の推進力となっていました。
また、ヒロイン・澤村由美を演じた河合優実の存在感も見逃せません。原作の庇護されるヒロイン像から脱却し、夜の街を自らの意志で生き抜こうとする強さを宿した新たな由美像は、現代的なリアリズムを作品にもたらしました。さらに、堂島組を束ねる佐々木を演じた佐藤浩市や、養父・風間新太郎役の唐沢寿明といった重鎮俳優が画面を引き締め、単なるアイドル的キャスティングとは一線を画す重厚な布陣を完成させています。