大的場海岸をインターネットで検索すると、関連ワードに「心霊スポット」「事故」といった不穏なキーワードが散見されます。地元の掲示板やSNSでは「夜に行くと気配がする」「過去に水難事故が多発したため遊泳禁止になった」といった真偽不明の言説が一人歩きしている実態があります。
これらの噂が生まれた背景を検証すると、過去に地方報道で報じられた断片的な水難事故ニュースが、オカルト的な文脈へすり替えられた構造が浮かび上がります。昭和から平成にかけて、遊泳禁止エリアへ誤って進入した遊泳者や、夜間に釣りを行っていたアングラーの落水事故が散発的に発生したことは事実です。高松海上保安部などの海難記録を紐解いても、テトラポッド周辺や突堤の先端部分は潮流が速く、一度海中に転落すると自力での這い上がりが極めて困難な地形となっています。
さらに、夜間の大的場海岸は街灯が少なく、瀬戸内海の暗い水面と波音が重なるため、心理的な恐怖感を増幅させやすい環境にあります。いわゆる「心霊スポット」としての評判は、夜間の視界不良と過去の事故の記憶が結びついた都市伝説に過ぎません。恐れるべきは超常現象ではなく、夜間の足場の悪さや急激な深み、目に見えない強い引き潮という現実の物理的危険です。