これまで紹介したルールを真っ向から覆す「例外的な種」の存在こそが、両者の境界線の曖昧さを象徴しています。
代表的な例がイカリモンガです。この昆虫は昼間に活発に飛び回り、花を訪れて蜜を吸うだけでなく、止まるときには蝶のように羽を背中で立てて閉じます。触角も先端が太くなっており、初見ではほぼ全員が蝶と見誤るほどの姿をしています。
もうひとつの有名な例がアゲハモドキです。名前に「モドキ」と付く通り、有毒なジャコウアゲハに擬態して身を守る蛾で、外見は黒いアゲハチョウそのものです。羽の形や飛び方まで蝶そっくりですが、触角がクシ状である点を確認して初めて蛾だと判別できます。
海外に目を向ければ、南米などに生息するオオツバメガのように、どの蝶よりも鮮やかで金属光沢を放つ昼行性の美しい蛾も存在します。