テレビ東京系の長寿情報バラエティ『出没!アド街ック天国』。愛川欽也さんは1995年4月の番組立ち上げから司会を務め、「世界最高齢の生放送テレビ情報番組司会者」としてギネス世界記録に認定されるほどの象徴的存在でした。それだけに、2015年3月に発表された突然の降板は、視聴者の間に大きな波紋を呼びました。
当時、制作現場で愛川さんの様子を見つめていた番組関係者は、当時の鬼気迫る空気を次のように述懐しています。「本番前の楽屋では深くソファに沈み込み、息をするのも苦しそうに見える瞬間があった。しかし、ひとたびフロアに入って照明が当たると、背筋がすっと伸び、『おまっとさんでした!』というあの名セリフを力強く響かせていた」と語られています。
愛川さんが番組側に勇退を申し入れたのは、記念すべき通算1000回放送の収録直前でした。中途半端な回数で投げ出すことを極度に嫌い、番組の歴史にひとつの大きなピリオドを打つことこそが、長年支えてくれた視聴者とスタッフに対する最大の礼儀であると判断したのです。自分の衰えを見世物にせず、番組の祝祭感を損なわないための決断でした。