復興の歩みと呼応するように、福岡県朝倉市の観光名所も力強い息吹を取り戻しています。その象徴が「筑前の小京都」と称される秋月地区です。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されているこの街並みの中核をなす福岡県朝倉市 秋月城跡では、黒門や長屋門を取り囲む四季折々の景観が往時の面影を色濃く伝えています。春には杉の馬場通りの桜並木が、秋には燃えるような紅葉が石垣を彩り、歴史情緒を求める散策客が絶えません。
さらに、朝倉の農業遺産として名高い朝倉市 三連水車(菱野三連水車)も外せない見どころです。江戸時代から受け継がれる実動の灌漑水車として日本最古の歴史を持ち、国指定史跡にも指定されています。毎年6月中旬から秋の収穫期にかけて堀川用水から田畑へ水を汲み上げるその姿は、先人の知恵を今に伝える生きた土木遺産です。豪雨被害による取水口の埋没を乗り越え、保存会や職人たちの手によって復元された水車が快音を立てて回る光景は、訪れる人々に復興の確かな手応えを感じさせています。
2026年の潮流として注目されるのは、こうした伝統的景観に溶け込むように整備された観光DXです。秋月エリアでは分散型古民家ホテルの展開やキャッシュレスガイドの普及が進み、ただ通過するだけの観光から「じっくり滞在して歴史の気配に浸るツーリズム」へと質的な転換を遂げています。