韓国人の間で「味の故郷」と称される全羅道。韓国観光公社などの公式旅行統計を見ても、韓国内での「グルメ旅」目的地ランキングで常に最上位を争っています。なぜこれほどまでに食文化が発展したのか、その理由は肥沃な湖南平野とリアス式海岸がもたらす豊かな一次産品にあります。
全羅道の食卓を象徴するのが「南道韓定食(ナムドハンジョンシク)」です。テーブルの隙間を埋め尽くすように並ぶ20品以上の小皿(パンチャン)は、素材の味を極限まで引き出す発酵技術と丁寧な下ごしらえの結晶。全州(チョンジュ)のビビンバやコンナムルクッパ(豆もやしスープ)、木浦(モッポ)のタコ料理やホンオ(エイの発酵刺身)、光州のオリタン(鴨鍋)など、地域ごとに個性際立つ名物が揃っています。
「全羅道に入れば、道端の小さな食堂でも外れがない」と語り継がれるほどの味覚水準の高さは、食にこだわる多くの日本人リピーターを惹きつける最大の要因となっています。