ドラマのクライマックスとなる100億円規模の不動産詐欺劇において、圧倒的な存在感を示したのが大手デベロッパーの青柳を演じた山本耕史だ。出世欲と焦燥感に駆られ、冷静な判断力を失っていくエリートサラリーマンの心理的崩壊を、山本は緻密な計算と熱量で演じきった。追い詰めたつもりが追い詰められていく人間の滑稽さと悲劇性は、SNS上でも大きな話題を呼んだ。
また、小道具や偽造書類を担当するナミオカ役の染谷将太も、若き天才職人としての偏執的なこだわりを怪演。彼らの緻密な工作と、騙される側の盲目的な欲望が交錯するシーンの数々は、映画史に残るサスペンスの緊張感を作り出していた。キャスト全員が自分の役割を完璧に理解し、寸分の狂いもなくピースをハメ合わせたからこそ、あの息をのむ騙し合いが完成したのだ。