晩年の大原麗子を捉えた数少ない写真には、全盛期の華やかさとは一線を画す、衰弱しながらも鋭い眼光を放つ姿が記録されている。病によって顔の筋肉が思うように動かなくなり、外出もままならなくなった彼女は、カメラの前に立つことを極力拒んでいた。
だが、身内や信頼する一部の撮影者が残した晩年のショットには、ノーメイクに近い素顔でありながら、凛とした佇まいを崩さない一人の女性の姿があった。ギラン・バレー症候群の痛みに耐え、一人静かに病魔と闘っていたその表情には、惨めさなど微塵も存在しない。孤立死という言葉のイメージを覆す、誇り高き表現者の「最後の姿」がそこにはあった。