40代という年齢層は、役者人生において最も演じられる役柄の幅が広がる「黄金期」にあたる。20代や30代の若手時代には「イケメン枠」や「好青年役」といったステレオタイプな配役が目立っていた俳優でも、40代を迎えると人生の深みや悲哀、怪しさがにじみ出るようになり、作品のリアリティを支える中核として重用されるようになるからだ。
また、彼らの多くは主役を際立たせるためのカメレオン型演技を徹底している。徹底的に日常へ溶け込むカメレオンのような佇まいゆえに、視聴者は「役柄の人物」として画面を見つめてしまい、演じている俳優本人の個性にまで意識が回らない。これこそが、顔は強烈に覚えているのに名前が喉につっかえて出てこない最大の構造的理由である。