白子と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはり鱈(タラ)だろう。特に冬場に水揚げされる「マダラ」の白子は「真白子(まだち)」と呼ばれ、複雑に折り重なったヒダと美しい白さが特徴だ。熱を通すと表面がフワッと固まり、中はとろけるような濃厚な味わいに変わる。
一方、最高級珍味の代名詞として君臨するのが「トラフグ」の白子だ。表面は滑らかでハリがあり、一口食べれば絹のように滑らかな舌触りと上品で深みのある旨味が口一杯に広がる。マダラが力強いコクを持つなら、トラフグは優雅で洗練された甘みが魅力。それぞれの魚種によって全く異なる世界観を楽しめるのが、この食材の奥深さだ。