事件後、冨田さんを待ち受けていたのは、過酷なリハビリテーションの日々だった。傷口の治療だけでなく、神経の損傷による顔面麻痺や視野の欠損など、後遺症との闘いは長期に及んだ。医療技術が進歩した現代においても、一度深く傷ついた皮膚や神経を完全に元通りにすることは容易ではない。
さらに深刻だったのは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)という「見えない傷」だ。突然襲ってくるフラッシュバック、人が集まる場所への恐怖心。彼女は肉体的な治療と同時に、精神的な崩壊を防ぐための孤独な闘いを強いられることになった。それでも彼女は、自らの声を社会に届ける道を選んだ。