こうして検証していくと、『3月のライオン』に向けられる「気持ち悪い」という評価は、作品としてのクオリティが低いことを意味しているわけではない。むしろ逆に、人間の複雑な精神構造や、人生の泥臭い部分を誤魔化さずに描ききる圧倒的な筆力があるからこそ、読者の感情を激しく揺さぶるのだ。
人間は誰しも、自分の中にある見たくない弱さや、他者のドロドロとした嫉妬・執着に直面したとき、生理的な拒絶反応を起こす。羽海野チカはその「不快な感情」すらも物語の重要なピースとして捉え、光と影の両面を克明に刻み込んでいる。だからこそ、どれほど胸が悪くなるような展開があろうとも、私たちはこの作品から目を逸らすことができず、闇を抜けた先に用意された救いの瞬間において、至高の感動を味わうことになるのだろう。 (出典: 3 月 の ライオン 気持ち 悪い(Yahoo!ニュース))
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