多くの人々が記憶しているのは、沢尻エリカが主演を務めた連続ドラマ版の印象だろう。地上波のエンターテインメントとして構成されたフジテレビのドラマ版は、主人公の恋愛模様や架空のクラスメイトとの関係性を加え、視聴者の涙を誘うメロドラマとしての色彩を強めていた。
対して映画版で主演の木藤亜矢役を演じたのは、当時新人女優として抜擢された大橋麻佳である。映画版のアプローチは徹底してリアルだ。創作された恋愛エピソードを排し、病が少しずつ身体の自由を奪っていく現実と、それに抗いながら日記を書き続けた15歳からの葛藤を淡々と描写している。エンターテインメント性の影に隠れがちな生の厳しさをありのままに描いた点において、両者は全く異なる作品性を備えている。