中央線沿線でも屈指の飲食店激戦区として知られる中野において、中野の居酒屋名店の筆頭格として必ず名前が挙がるのが第二力酒蔵です。第二力酒蔵の歴史は1954年(昭和29年)にまで遡り、戦後の復興期から高度経済成長期、そして令和の現在に至るまで、街の移り変わりを見つめ続けてきました。
かつて作家や文化人、演劇人たちが夜な夜な集い、熱い議論を交わしながら杯を傾けた空間には、今も独特の風格が漂っています。重厚な木製引き戸を開けると広がる1階のオープンフロアとカウンター席、そして2階・3階に広がる広大な座敷席。総席数200席を超える巨大なキャパシティを誇りながら、夕暮れ時を過ぎれば瞬く間に満席となる熱気は、まさに中野を代表する老舗大衆居酒屋ならではの光景です。
店名にある「第二」の由来について古参の常連客に尋ねると、「かつて神田にあった本店からの暖簾分け」という歴史的背景が語られます。時代の荒波の中で本店が姿を消した後も、この中野の地で暖簾を守り抜き、大衆の胃袋と心を掴み続けてきた自負が、一皿一皿の料理に宿っています。