高知で「輪抜け様」の名で広く親しまれているこの祭礼は、古代日本の神話に起源を持つ由緒正しい神事です。神話の時代、武塔神(スサノオノミコト)をもてなした蘇民将来(そみんしょうらい)が、「茅(カヤ)で編んだ輪を腰に着けていれば疫病から逃れられる」と教えを受け、その一族だけが難を逃れたという伝説が現在の茅の輪くぐりのルーツとされています。
旧暦の6月晦日(現在の6月30日)は、1年のちょうど折り返し地点にあたります。農作業が本格化し、疫病や熱中症のリスクが高まる夏を前に、半年分の穢れを落として残る半年の無病息災・家内安全を祈る風習が、土佐の地に深く根付きました。
高知では神社ごとに青々とした巨大な茅の輪が設置され、大人から子どもまで列をなしてくぐり抜けます。茅の独特な清々しい香りに包まれる境内は、土佐路の初夏ならではの情緒にあふれています。