原作者である藤子・F・不二雄が描いた漫画『ドラえもん』において、しずかちゃんの入浴シーンは決して扇情的な意図のみで挿入されたわけではなかった。小学館の学年別学習雑誌などで連載されていた原作では、のび太の不器用さや道具の誤用が引き起こす「古典的な喜劇のオチ」として機能していた側面が強い。
落語の滑稽噺や古典喜劇の構造を下敷きにし、日常に潜むちょっとしたハプニングを視覚的なアクセントとして配置する。巨匠が意図したのは無邪気なナンセンスギャグのスパイスであり、過度な性的文脈を持たせない絶妙なバランス感覚がそこにはあった。