「ドリアン=臭い」という先入観は、完熟した生の果実だけに当てはまる古い常識に過ぎない。チップスに使用されるのは、木の上で完熟する前に収穫された、まだ硬い青いドリアンだ。
強烈な臭いのもととなる強烈な揮発性硫黄化合物は、果実が熟す最終段階で急激に生成される。未熟な段階で摘み取り、薄くスライスして低温のオイルで手早く揚げると、果実に含まれる豊富なデンプン質が香ばしい旨味へと変化する。歯を立てた瞬間に弾けるサクサクとした食感の後に広がるのは、さつまいもよりも上品で、栗よりも濃厚なコク。香りと味のギャップこそが、一口目で人々を虜にする最大のトラップだ。