かつてファミレス業界に激震が走った出来事を覚えているだろうか。イタリアで発生したアフリカ豚熱(ASF)の影響により、長年愛されてきたパルマ産プロシュートの輸入が突然ストップしたあの「生の絶望」だ。メニューからの消滅を惜しむ声がSNS上を埋め尽くし、ファンの間には悲壮感すら漂っていた。
しかし、サイゼリヤはただ指をくわえて待っていたわけではない。調達ルートを本場スペインへと迅速に切り替え、品質管理を一から再構築。熟成期間や塩分濃度、スライスの厚みに至るまで徹底的な試行錯誤を重ねた。結果として誕生した現在のラインナップは、かつてのパルマ産に勝るとも劣らない芳醇な香りととろけるような脂の甘みを引き出している。災いを転じて福となす——まさに同社の執念が実を結んだ瞬間だった。