一方で、写真スタジオ業界も大きな転換期を迎えている。大手チェーンの株式会社キタムラが展開するスタジオマリオや写真館事業では、証明写真を単なる手続き用画像ではなく、自己表現の「ポートレート撮影」として捉え直すサービスを次々と打ち出している。
とりわけ注目を集めたのが、写真家・映画監督の蜷川実花が監修を手がけた特別な背景演出やライティングプランだ。従来の無機質なブルーやグレーの単色背景から脱却し、色彩のグラデーションや柔らかな空気感をまとった仕上がりは、オーディションやSNSアイコン、プロモーション用写真としても絶大な支持を得ている。ライティング専門のスタッフが骨格に合わせて光の角度をミリ単位で微調整するスタジオ撮影は、自信を形にする体験としての価値を高めている。