内閣府が取りまとめる県民経済計算は、国民経済計算(SNA)の国際基準に準拠し、各地域の経済活動を網羅的に捉えた最も信頼性の高い経済統計だ。最新の集計値を俯瞰すると、東京都の総生産額は依然として一国に匹敵する圧倒的な規模を維持している。情報通信業や金融業、多国籍企業の本社機能が集中し、名目上の成長を牽引する構図に衰えは見られない。
しかし、数字の華やかさに惑わされてはならない。一人当たり所得で見れば高水準を誇る東京だが、急激な物価上昇と住居費の高騰が実質的な購買力を容赦なく削り取っている。巨大な経済規模を誇る首都が、真の意味で持続可能な豊かさを生み出しているのか。統計の深層からは、集積の利益が過密の限界費用に追いつかれつつある大都市の歪みが透けて見える。