歌舞伎ファンのみならず日本中が熱狂したのが、陽喜くんと夏幹くんによる歌舞伎座初舞台と正式な名乗りです。2024年初夏、歌舞伎座の晴れ舞台において、長男が「初代中村陽喜」、次男が「初代中村夏幹」として堂々の襲名を果たしました。
歌舞伎界において、幼少期の本名をそのまま芸名として「初代」を冠して名乗る形式は非常に珍しく、大きな話題を呼びました。そこには「自分たちの力で新しい歴史と道を切り拓いていってほしい」という中村獅童さんの深い願いが込められています。初舞台の幕が上がると、二人は大人顔負けの口上を披露。客席からは割れんばかりの拍手と「萬屋!」の大向こうが飛び交い、大向こうの声に笑顔で応える兄弟の愛らしさと役者魂に、涙を拭う観客が続出しました。
伝統的な重圧がかかる大舞台でありながら、兄弟はお互いに手を取り合い、毎日の舞台稽古を乗り越えました。この晴れ姿は、単なる初舞台にとどまらず、萬屋の歌舞伎の跡継ぎとして未来を背負っていく覚悟を世に示した歴史的瞬間となったのです。