「長芋は野菜だから血糖値が上がりにくい」という思い込みには注意が必要だ。食品の糖質吸収スピードを示すGI(グリセミック・インデックス)において、生食の長芋のGI値はおおむね54前後とされる。これは「低GI食品(55以下)」の枠内に収まり、玄米や白米と比較しても血糖値の上昇スピードは緩やかだ。
しかし、加熱調理を施すことで状況は一変する。長芋を熱したり高温で焼いたりすると、デンプンがα化(糊化)して消化酵素による分解を受けやすくなる。その結果、加熱後の長芋は中GI〜高GI食品へと変化し、食後の血糖値を急速に引き上げるリスクが生じるのだ。生でシャキシャキ食べるか、とろろにするか、あるいはソテーにするか——調理の選択ひとつで、体内の糖代謝反応は大きく分かれる。