「冷凍した食パンは味が落ちる」という思い込みは、加熱アプローチの誤解から生まれています。パンの主成分であるデンプンは、0℃〜4℃の温度帯で最も急速に水分が抜け、ボソボソとした「老化(β化)」が進みます。つまり、常温でゆっくり自然解凍すると、食感が最も劣化する魔の温度帯を長時間通過することになります。
水分を逃さず、中の水分が水蒸気爆発を起こしてふんわり立ち上がるように仕上げるには、冷凍食パンの解凍なし調理が必須条件です。ここで決定打となるのが、冷凍食パンの焼き方(トースター)における「急速高温加熱」の環境づくりです。
まず実践したいのが、冷凍食パンをそのまま焼くコツとしてのトースター予熱(1000W前後で約2分空焚き)です。庫内をあらかじめ200℃以上に熱しておくことで、パンを入れた瞬間に表面の水分を瞬時に飛ばして薄いクリスピー層を形成し、内部の水分を完全に閉じ込めます。
さらにプロが現場で推奨するのが、冷凍食パンに霧吹きをする美味しい焼き方です。冷凍庫から取り出した直後、パンの両面にシュッと1〜2回霧吹きで微細な水分をまとわせます。この水分が加熱時にスチームバリアとなって表面の焦げ付きを防ぎ、内部に熱が届くまでの時間を稼ぎながら、まるで高級スチームトースターで焼き上げたような弾力を蘇らせます。