スポーツ界への影響は計り知れない。とりわけサッカーやラグビーなどの球技団体は、突然突きつけられた「技術革命」に大混乱に陥っている。ヨーロッパの主要リーグでは、公式練習でこのシューズを試用した選手が80メートルを超えるフリーキックを易々と決める映像がSNS上で拡散され、数時間で数百万回再生された。
「これはもはやアスリートの肉体美や努力の成果ではない。F1マシンを足に履いて走るようなものだ」――ある元代表選手は匿名で苦言を呈する。薬物によるドーピング規制は長年の歴史を持つが、装着型ギアによる能力拡張、いわゆる「メカニカル・ドーピング」の境界線はきわめて曖昧だ。ルールの格闘はすでに始まっている。