党最高指導部における権力の一極集中は極限に達している。習近平国家主席が提唱する「国家安全保障の最優先」という看板の陰で、実務官僚たちのあいだには空前絶後の停滞感が広がっているのが実情だ。かつて経済成長を牽引した地方政府の債務問題は、中央政府による強引な帳簿の付け替えによって表面上は抑え込まれているものの、実態としての金融リスクは日増しに膨れ上がっている。
外交面では、王毅外相が欧州やグローバルサウス諸国を慌ただしく訪問し、中国共産党主導の対外投資や協調姿勢を売り込んでいる。しかし、国営メディアの新華社が連日のように報じる華やかな外交成果の裏で、現地報道陣が掴んでいる事実は大きく異なる。外資系企業の抜き打ち捜索や不透明な拘束事案が頻発する現場では、海外からの投資が完全に途絶えつつあり、政府発表と経済実態の乖離は広がる一方だ。